抄録
阿武隈川流域を対象とし,土地利用や地質などの流域特性と河川水質を明らかにすることを目的に,水質調査を本流21地点,支流40地点において1年間行った。その結果,流域全体の水質の季節変動を解析したことで,支流の水質が本流の水質に与える影響を確認することができた。また,特異な水質を示す支流の存在が明らかになり,東根川と逢瀬川では,電気伝導度が高くNa+-Cl-型で,人為的な汚濁負荷の流入が,荒川はCa2+-SO42-型で火山の影響が,強く現れていると考えられた。さらに,電気伝導度や主要溶存成分には,土地利用の影響が強く認められた。