抄録
とかち鹿追ジオパークは,2013 年12 月16 日に日本ジオパークネットワークとして認定され,北海道・鹿追町全域の貴重な地形と自然環境を保全に務めている。その範囲は,北海道・鹿追町全域で,町の北部は大雪山国立公園に指定され,主なジオサイトのひとつに然別湖があり,観光事業や学習活動の場として活用されている。本ジオパークでは『凍れ』をテーマに掲げており,然別湖の周辺には日本最大級の広さを誇る風穴地帯で日本最古の氷を含む永久凍土が確認されことなど自然的特徴がある。また,完全結氷することがこの地域にとって観光資源であり,結氷現象への理解および予測は必須である。しかしながら,2023 年,全世界的に統計開始以降,夏季の平均気温が最高となるなど,温暖化の進行により結氷しなくなることが懸念されている。本湖では,2021 年10 月より水温のモニタリング観測が開始され,主に然別湖の最深地点における水温の季節変化について議論する。