抄録
ネフローゼ症候群を呈した104例のうち, 86例の腎原発性ネフローゼ症候群をBurchの分類に従い, 組織学的変化とステロイド治療効果との関係を検討した.
1) 微小変化群の発生頻度は48% (86例中41例) であり, 発症年令は平均24.1才であった.
2) ステロイド治療に反応する症例は, 蛋白尿, 低蛋白血症, 高コレステロール血症の順に改善あるいは正常化した. とくに微小変化群では改善あるいは正常化が他の群に比し短期間であった.
3) 治療効果において, 微小変化群では近接効果で76%が完全寛解し, 遠隔成績で84%が完全寛解を示した.
4) ステロイド抵抗性あるいは再発する症例では, ステロイドと免疫抑制剤との併用で効果がみられた.