順天堂医学
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特集 高齢化と医療
高齢者における虚血性心疾患
中田 八洲郎
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1985 年 31 巻 1 号 p. 19-23

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抄録

老年人口の増加に伴ない, 循環器領域においては動脈硬化に起因する疾患が相対的に増加しており, 特に冠状動脈硬化を基盤として発症する虚血性心疾患が近年増加している. この虚血性心疾患において, 比較的高齢である70歳以上の例と70歳未満例の2群を比較検討したところ, 高齢者群においては, 心筋硬塞の急性期に重篤な合併症を併発し易く, このため死亡率も高い. しかしながら狭心症や陣旧性心筋硬塞などの慢性の虚血性心疾患では外科的治療を含めて, 一般に治療に対する反応は良好であり, 両者間で差を認めなかった. このため高齢者においては, 急性期の治療がより重大な意義を有する.

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© 1985 順天堂医学会
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