1985 年 31 巻 1 号 p. 24-30
高齢者人口の増加にともない, 開塞性換気障害, 拘束性換気障害, 肺循環障害をもつ人口の増加が見込まれている. 事実, 体動時息切れを訴え呼吸不全の状態で来院される症例は増加の傾向にある. 動脈血ガス分析で, PO260mmHg以下, PCO2については50mm Hg以上の場合呼吸不全が存在すると考えられる. 呼吸不全は急性と慢性に分けられるが, それぞれに多くの原因がある. 今回は加齢にともなう呼吸機能の変化と慢性呼吸不全をきたす疾患のうち老人に多くみられる肺気腫症について述べた.