順天堂医学
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特集 脳・腸管ペプチドの基礎と臨床
小児消化器機能の発達と腸管ペプチド
山城 雄一郎
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1985 年 31 巻 3 号 p. 360-367

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抄録
消化器の形態的および機能的発達は胎児の発育に伴って進行し, 形態的には胎生20週からほぼ成熟している. これは発育に十分なエネルギーと栄養を腸管を通して吸収しなくてはならない子宮外の生活に備えているためである. 子宮外の生活すなわち, 出生に伴い種々の変化が起るが, 重要なものの1つに栄養摂取法の変化がある. 子宮内で胎児は母親から胎盤を介して継続的に“経静脈栄養”により栄養されているが, 新生児は生後空腹期間が介在する間欠的“経腸栄養”に移行し, 摂取した栄養物の代謝を自力でコントロールすることに適応していかなければならない. 本稿では, 生後, 経腸栄養に適応して消化器が発達していく際に重要な役割を果たす腸管ペプチド (消化管ホルモン) について, 教室の研究データを中心に総論的に述べる.
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© 1985 順天堂医学会
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