抄録
我々は気管支喘息経過中に潰瘍性大腸炎の発症をみた1例を経験したので報告する.
症例は12歳の男性で, 2歳より気管支喘息に罹患し, 増悪と寛解をくり返していた. 昭和59年3月より突然血便出現, 大腸ファイバーや注腸造影で潰瘍性大腸炎の診断を受け, Salazosulfapyridine2g/日とPredonisolone25mg/日の投与で軽快した.
気管支喘息と潰瘍性大腸炎との合併は, 米国での報告はあるが, 本邦ではまとまった報告はない. 両者ともアレルギーが関与している点で注目すべき症例と思われる. なお, 潰瘍性大腸炎ではLeu 2aが活動期で低下する報告があるが, この症例でも, 治療前にLeu 2aの低下が認められた.