抄録
産婦人科医として40数年を体験し, その大部分を大学に在籍した私は, その最後の15年間を順天堂大学でお世話になった. 省みると私の世代は, 戦前に教育をうけ, 終戦からの復興期・高度成長期, 経済社会の成熟期を経て現在は低成長期と, それぞれの時代を体験してきた. また大学の中にあって, 各世代の若い人達と仕事をして来たし, 臨床・教育・研究・学会活動のあり方も, それなりに変動をつづけて来た. その最終のしめくくりを本学ですごさせて頂いた恩恵は, 何にもかえ難い生涯の賜であった. 産婦人科医の時代の流れと, その中での私の仕事を回顧し, 本学産婦人科の発展を祈ってやまない.