抄録
1979-89年間に順天堂大学病院及び心臓血管研究所で, 心内膜心筋生検を施行された拡張型心筋症様病態例117例を, 組織学的に非特異的心筋炎49例 (リンパ球を含む単核細胞浸潤), 心筋炎後心拡大症 (PMC) 54例 (僅かな細胞浸潤, 不規則な置換性線維症, 小血管増生), 拡張型心筋症 (DCM) 14例 (非特異的変性・肥大・線維症) に分類し, 心電図所見を比較した. 結果: (1) 心室性不整脈, 特異的陰性T波 (V5, 6またはaVFの対称的孤立性陰性T波) は非特異的心筋炎とPMCに (2) V1の2相性P波, 陰性T波は非特異的心筋炎に (3) 心房 (粗) 細動・洞不全症候群を含む上室性不整脈, 右脚ブロックはPMCに (4) 非特異的ST・T変化 (先下がり型ST低下), 左脚ブロック, QRS左軸偏位はDCMに多い傾向をみた. 非特異的心筋炎は巣状で不均一分布をとるため, 生検偽陰性 (DCMと診断) が生じうるが, 心電図所見により診断精度を上げることが可能である.