1992 年 38 巻 3 号 p. 357-367
めまいと耳鳴・難聴などの蝸牛症状につき検討した. 解剖学的に聴覚系は非常に接近して存在するため, 前庭症状と蝸牛症状の両症状が同時に出現することが多いと考えられ, 特に末梢性障害の場合その傾向が強く認められる. 末梢性疾患・中枢性疾患のそれぞれ代表的なものにつき, めまいと蝸牛症状の関連につき検討した. めまいの責任病変を診断して行くに当たり, めまいと蝸牛症状の出現状態を詳細に検討することは非常に重要であると考えられた. また, 小児および高齢者のめまいの特徴につき検討した.