周期性発射periodic discharge (PD) は脳機能の重篤な障害を示す脳波所見であり, 一般に一過性で予後不良の指標とされている. われわれはPDを認めた昏睡患者5例において脳波検査と血清酵素値の推移を追跡調査し, 以下の結果を得た. (1) PDが血清酵素値の増加に先行して出現し短期間で消失する場合, 生命予後は良好であった. (2) PDが血清酵素値の増加後に出現し長期間持続する場合は予後不良であった. 昏睡発症時には血清酵素値の評価に加えただちに脳波記録を施行し, PD出現後は5日前後の時点で再検することが予後の予測に有用と考えた.