1992 年 38 巻 3 号 p. 446-451
虚血性心疾患の治療の進歩は再灌流療法を中心に目ざましい. 今回当病院での急性心筋梗塞患者270例の入院中の治療成績について検討した. 全体の死亡率は12.2%で, このうち70歳以上の老年者群の死亡率は, 36.5%と非老年者群の4.0%に比し有意に高かった. PTCRは77例 (29%) に施行し, 再灌流成功率は81.8%と良好であった. PTCR施行群の死亡率は, 6.4%で非施行群の14.5%に比し有意に低く, また老年者群に限っても施行群の死亡率5.3%, 非施行群42%であり, 再灌流療法の有用性が示唆された.