抄録
Gunnラットは常染色体劣性遺伝の高ビリルビン血症を呈するラットである. その原因は肝のUDP-glucuronyl transferaseの遺伝的欠損のためであり, ビリルビンに起因する核黄疸を生じる. また小脳低形成を合併する特徴を持つ. 今回, 肝欠損酵素の充填法として同ラットに同所性肝移植, および異所性胎児肝移植を行い, 血中ビリルビンの推移や肝への影響, さらに小脳病変への影響を検討した. この結果, 同所性肝移植により血中ビリルビンは移植後早期より低下し正常に至った. 胎児肝移植においては, 移植後有意な減黄を示したが正常には至らなかった. また胎児肝移植した宿主の胆汁中には抱合型ビリルビンの増加を認め, 抱合を受けたビリルビンが宿主肝から排泄されていることが示された. 一方, 小脳病変に対しては, これらの減黄処置による効果は認められなかった. 以上より, 同所性肝移植のみならず, 胎児肝移植も肝酵素充填法としての効果が期待された. また合併する小脳変性に対しては同所性肝および胎児肝移植ともに効果がなく, 移植時期の検討の重要性が示唆された.