抄録
21世紀初頭の超高齢社会に備えるべく, 平成元年12月には「高齢者保健福祉推進10カ年戦略」が示され, 今世紀中に達成すべき保健・医療・福祉の各分野におけるサービスの目標量を提示し, 関係者の努力を喚起している. そのキーワードは「キュアからケアへ」, 「施設から在宅へ」であり, こうした潮流を地域で支える体制としての保健・医療・福祉の新たな連携が今求められている.
本稿では先ず都内の要介護高齢者の実態についてふれ, 次いで昭和62年に創設された老人保健施設, 平成3年に創設された老人訪問看護ステーションに対する東京都における取組みの概要を紹介した. これらの施策は緒に就いたばかりであるが, その重要性に鑑み, 今後の充実発展が望まれる.