抄録
近年わが国で制度化されている「訪問看護」における医師と訪問看護婦とのチームプレーに関して論じた.
「訪問看護」業務は「在宅医療管理」とともに, 近年, 医療保険制度上診療報酬を請求できることになった.
現在, 訪問看護は未だ介護を中心とする看護や看護指導の提供であるが, 今後は医療依存度が高い状態や在宅ターミナルケアを担当すると予測される. この場合には, 看護婦は医師と協力して患者宅で医療を行うことになる. その場合, 看護婦は医師と緊密な関係でケア提供することが必要となり, 医療行為など医師の指示で行うケアは医療機関内と同様, 医師の指示を正確に受け, 実施報告を行う責務がある. しかし, 医師は在宅療養者を直接観察する機会が少なく, 看護婦は医師から適切な指示を得にくいため, 予測的で, 客観的な観察結果や家族介護状況の評価を医師に伝達する必要がある. そこで, (1) 侵襲が少ないモニター類や検査器具の活用, (2) マニュァルの作成, (3) 情報伝達方法の開発が必要となる.
また. 在宅看護の歴史が浅いため, 技術体系が未成熟であるから, これを開発, 充実する研究とその普及が重要かつ急務である.