順天堂医学
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原著
慢性維持透析患者における表面改質セルロース膜ダイアライザー (CL-EE) の臨床効果の検討
滝沢 弘之佐藤 富男田中 新樹谷口 裕福井 光峰富野 康日己
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1999 年 44 巻 4 号 p. 410-414

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抄録

目的: 血液透析患者数は, 高齢化を伴って年々増加の一途を辿り合併症も多様化してきている. 一方, 透析膜の生体適合性の向上についても研究が重ねられ, 改善がはかられている. 今回, セルロース膜表面に抗酸化剤であるビタミンEをコーティングしたダイアライザー (クリランス®EE) の生体適合性向上効果について臨床評価を行った. 対象と方法: 安定した透析患者12名について表面改質セルロース膜ダイアライザー (クリランス®EE) を用い1年間連続使用し, 同時に生化学的ならびに, 血清学的に生体適合性の評価を行った. また, 臨床症状を比較検討した. 結果: 1年間の評価で, メチルグアニジンの低下傾向, 血清補体C3aの有意な改善ならびに透析後の残血量の有意な減少が認められた. 結論: ビタミンE固定化ダイアライザー (クリランス®EE) は, 生体適合性の改善に有効であることが示された.

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© 1999 順天堂医学会
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