順天堂医学
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原著
ヒト腎組織におけるテンシン発現の検討
山下 倫史富野 康日己
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2004 年 49 巻 4 号 p. 459-465

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抄録
目的: テンシンは215kDのアクチン関連蛋白であり, 腎組織での発現はマウスの尿細管上皮細胞での報告はあるが, 詳細はわかっていない. 今回, われわれはヒト腎組織でのテンシンの発現・局在について検討した. 方法: 免疫染色・RT-PCR・免疫沈降法にてテンシンの腎組織ならびに糸球体メサンギウム細胞内での発現・局在を検討し, 免疫染色にてテンシンとインテグリンα5・フィブロネクチンとの関係について検討した. さらに, 免疫沈降法にてテンシンと他のアクチン関連蛋自との関連性についても検索した. 結果: 腎組織では, テンシンは尿細管上皮細胞とメサンギウム細胞, そしてボウマン嚢上皮細胞にも認められた. メサンギウム領域では, テンシンの局在はインテグリンα5・フィブロネクチンと一致していたが, 尿細管上皮細胞・ボウマン嚢上皮細胞での局在は一致していなかった. また, テンシンはメサンギウム細胞内でアクチン線維の両端に発現し, ビンキュリンやシグナル分子であるfocal adhesion kinase (FAK) と複合体を形成していた. 結語: ヒトの腎組織において, テンシンは尿細管上皮細胞のみならずボウマン嚢上皮細胞やメサンギウム細胞にも存在し, メサンギウム細胞ではビンキュリンやFAKと複合体を形成し, 細胞増殖や生存といった重要な役割を担っている可能性が示唆された.
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© 2004 順天堂医学会
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