順天堂医学
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原著
ラット腎糸球体内におけるテンシンの発現の検討
高原 久嗣富野 康日己
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2004 年 49 巻 4 号 p. 466-474

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抄録
目的: アクチン関連蛋白の1つであるテンシンはアクチンとインテグリンの間に存在しており, 細胞骨格形成と細胞間情報伝達の両方に関わる蛋自であることから最近注目されている. 腎でのテンシンの存在は, 尿細管上皮細胞において知られているが, 糸球体内でのテンシンの存在については十分に分かっていない. 今回, 腎糸球体内におけるテンシンの発現について検討した. 対象: パラフォルムアルデヒド灌流固定SDラット腎組織と培養ラットメサンギウム細胞を検討対象とした. 方法: 免疫組織化学 (蛍光抗体法・免疫電顕法) ・RT-PCR法・免疫沈降法を用いてテンシンの発現を検討した. 結果: テンシンは蛍光抗体法で尿細管上皮細胞基底膜側のみならず, メサンギウム領域にも存在し, 免疫電顕によりメサンギウム細胞の突起に分布していることが確認された. また, 培養メサンギウム細胞ではRT-PCRと免疫沈降法により, テンシンのm-RNAおよび蛋白の発現が確認された. 結論: テンシンは糸球体メサンギウム細胞と細胞外基質との接着に関わり, 糸球体基底膜とともに糸球体係蹄の基本構造形成の一端を担っていることが示唆された. また, 糸球体内においてはメサンギウム細胞のみでテンシンの発現が認められたことから, テンシンはラットメサンギウム細胞のマーカーとして使用できることが示唆された.
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© 2004 順天堂医学会
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