順天堂医学
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総説
病院感染における連携の重要性とその実例
池田 恵
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2007 年 53 巻 3 号 p. 390-396

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抄録
1980年代のMRSA (メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) の台頭に始まり, VRE (バンコマイシン耐性腸球菌), MDRP (多剤耐性緑膿菌) など抗生物質耐性菌による病院感染はますます深刻な問題となっている. 順天堂医院の微生物検査室では, 自動機器 (MicroScan WalkAway) で薬剤感受性検査を行うブドウ球菌属菌株および腸球菌属菌株について, VCMの薬剤感受性を通常の判定法に加えて48時間後にも行い, 常法では検出されないVCM耐性低感受性菌の検出に努めている. このような方法を用いることにより, 平成17年5月に順天堂医院で, VanB型VREが入院患者1名の尿より検出された. 本稿では, VREアウトブレイクのリスクを予測し, 局地的流行伝播を早期に察知して速やかな感染対策を実施できたこと, さらに微生物検査室や医療安全管理室と協働して病院全体で適切な感染対策に取り組んだ結果, 新たなVREの伝播を防止しアウトブレイクを未然に防止することができた事例を紹介する.
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© 2007 順天堂医学会
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