人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第32回 (2018)
セッションID: 2F3-OS-4b-04
会議情報

P300頂点潜時に基づく認知症の兆候検出に関する研究
*三輪 晃暉𠮷川 大弘古橋 武寳珠山 稔牧野 多恵子柳川 まどか鈴木 裕介梅垣 宏行葛谷 雅文
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

P300は,オドボール課題などを被験者に課した際に,刺激付与後約300ms付近に観測される脳波の陽性成分である.P300頂点潜時は,課題の難易度,年齢,教育歴やMMSE(Mini Mental State Examination)スコアと関係があるとの報告がなされている.P300頂点潜時を計測することでMMSEスコアを推定できれば,認知症の兆候を捉えられると期待される.しかし,MMSEスコアとP300頂点潜時等との関係式はこれまで同定されてなかった.本研究では,名古屋大学医学部附属病院老年内科に通院している患者を対象に,オドボール課題による脳波計測実験を行い,MMSEスコアとP300頂点潜時,課題の難易度,教育歴との回帰式を同定した.この回帰式におけるMMSEスコア推定誤差の標準偏差推定量は1.61であり, 95%信頼区間は±3.15であった.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top