主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
再使用ロケットの信頼性向上とコスト低減を両立するために,機械学習による故障検知・診断技術を適用した再整備が求められる.一方,再使用ロケットエンジンは推力が可変であり,運用状況によって動的に変化するオペレーショナルシーケンスに対して柔軟な対応が求められる.機械学習は十分な数の学習データを必要とするが,膨大な時間とコストを必要とする液体ロケットの試験のみで異常データやシーケンスの変化まで含まれる学習データを用意することは現実的ではない.本研究では,一次元的にモデル化した縮約モデルを組み合わせ,システム全体の性能を計算できるシステムレベルシミュレーション(SLS)によって学習データを生成することとした.しかし,ロケットエンジンには,故障検知・診断において重要である一方,SLSで再現できない現象が多く存在する.そこで,再現が可能な現象を説明変数として混合ガウスモデルによって分割し,SLSで再現できない現象を目的変数としてクラスタ毎に回帰モデルを学習させることで再現が困難な現象を生成できた.これらを組み合わせることで,開発済みの故障検知・診断技術の学習データとして利用できる見通しが得られた.