主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
ボードゲーム AI の分野において、ニューラルネットワークによる盤面評価と木探索を組み合わせる手法が注目を集めている。木探索を行うためには盤面の遷移則が既知である必要があるが、モデルベース強化学習と関連して盤面の遷移則を学習する研究も活発に進められており、中でも MuZero は Atari・囲碁・将棋・チェスといったゲームにおいて高い性能を示している。本研究では MuZero のアルゴリズムを教師あり学習として再定義し、より複雑なゲームである「逆転オセロニア」へ適用する手法について検討する。「逆転オセロニア」は不完全情報性や不確定性を持つゲームであるため、多面的な情報を複数ターンに渡って保持できるような遷移を学習する必要がある。MuZeroアルゴリズムを直接「逆転オセロニア」へ適用した場合、部分的に性能は向上するが、遷移の不確かさにより木探索に悪影響が出る場合もあることが確認された。分析から、遷移の不確かさを考慮した木探索を行うことでさらなる性能向上が見込める可能性が示唆された。