主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
機械学習手法の活用の一つとして、事象の要因ないしは特徴の分析が挙げられる。例えばマーケティング分析の場合、商品を購入する利用者か否かについて決定木を学習し、学習した決定木の条件分岐を解読することで、商品を購入する利用者の特徴を分析することが出来る。このような方法では、商品購入の有無にどのような変数が影響しているかはわかるものの、どうしたら購入してもらえるようになるかまでは分からない。また、深層学習等の可読性の低いモデルは活用しにくく、決定木などの可読性の高いモデルでは大まかな傾向しかわからないことが多い。本稿では、深層生成モデルの一つであるConditional Variational Autoencoder (CVAE)を用いて、商品を購入していない利用者がどういう状態の場合に購入する可能性が高いかを推定(理想状態を推定)することで、前述の課題への対処を試みる。各利用者の理想状態と現状の差を求めることで、どうしたら良いかを明らかにし、かつ、深層生成モデルを用いることでより詳細な分析を実現する。金融機関のマーケティング分析を題材に決定木との比較実験を行い、深層生成モデルの有効性を示す。