本稿の目的は、情報銀行における情報提供に対するインセンティブについて研究することである。AIの発達によりビッグデータや個人データの価値が高まっている現在、個人データを管理し利活用する仕組みとして情報銀行が展開され始めているが、情報銀行を施行する上で様々な課題も存在する。その中で我々は、利用者や企業にとって情報銀行のメリットが明確でないという課題に着目し、情報銀行への情報提供に対する効果的なインセンティブについて、「ユーザーが情報銀行に開示する情報の重要度によって効果的な金銭的・社会的インセンティブが異なる」という仮説を立てて研究を進めた。この研究結果は情報銀行の今後のあり方に示唆を与える。
