人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第36回 (2022)
セッションID: 1F1-GS-10-02
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中国のウミガメ政策による中国国内の研究への二次的影響の分析
*三戸 大輝浅谷 公威三浦 崇寛坂田 一郎
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抄録

近年、科学全体におけるトレンドとして、中国における研究の存在感の上昇があげられる。中国は研究者数、また研究数が共に爆発的に増加しているほか、引用数が高い論文の割合も増加しており、質の面での向上が見受けられる。この背景として、中国のウミガメ政策により海外での研究を経て帰国した研究者(以下帰国研究者)が帰国後も高い研究パフォーマンスを挙げていることが先行研究より明らかとなっている。しかし、帰国研究者が質の高い研究を行うことで直接的な影響を与えていることは確かであるが、中国の研究者全体から見るとその数は少数であり、中国研究全体の質の向上を説明するには至らない。帰国研究者の中国研究への包括的な影響を考える上では、国内で研究することによって中国研究に与える間接的な影響についても考慮することが重要となる。本研究では帰国研究者と共著した中国国内の研究者の研究パフォーマンスを測定することで、帰国研究者との共著が研究者の研究の質と量双方の増加に影響を与えることを明らかにした。本研究における帰国研究者の二次的影響の分析は、中国国内の研究の全体像を明らかにする上で有用な知見となる。

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© 2022 人工知能学会
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