人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第39回 (2025)
セッションID: 2E5-OS-4b-03
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「インフラストラクチャー」の視点から探る人間とAI・ロボットの「共生」
新興AIロボティクス研究開発のエスノグラフィー
*志水 洋人
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抄録

本社会学研究は、AIロボティクス研究開発を「インフラストラクチャー」概念から分析し、人間と機械の関係性を再考する。2050年までの人間-AI-ロボット「共生」を目指すムーンショット型研究開発プログラム目標3に焦点を当て、うちの「Awareness AI」プロジェクトを事例とする。インタビューを含むエスノグラフィーを通して、プロジェクトがAI・ロボットを日常生活に溶け込む遍在的リソースとして構想していることを明らかにした。この構想は、身体情報の可視化と機械の不可視化、プライバシーと技術の遍在性、受動的データ収集と能動的同意管理など、複雑なジレンマを内包する。インフラ的AI・ロボットは、人間の身体や生のあり方と技術が動的に構成し合う関係を提示し、従来の擬人化モデルを超えた新たな「共生」的関係を示唆する。本研究は、AIロボティクスの社会実装に関わるより包括的かつ批判的な理解を深める視座を提供する。

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