人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第39回 (2025)
セッションID: 3Q1-OS-5-05
会議情報

顔表情分析に基づくファシリテーションスキルの抽出と創造性への影響に関する検討
王 雲傑*蜂須賀 知理菅野 太郎吉野 悠太渡辺 修平
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本研究は、オンライン会議の普及により顕在化した会議参加者の状態把握やコミュニケーションの質に関する課題を解決し、会議の創造性を向上する方法の提案を⽬的としている。 本稿では、顔表情に表出する感情および会議参加者間での感情伝搬が会議の創造性と関係すると考え、これらの関係性を明らかにすることを⽬指す。具体的には、会議中の顔表情感情を分析するために、EfficientNet V2の畳み込み層を改良した顔表情感情検知システムを構築し、企業における実際の会議データに基づく会議参加者の顔表情感情データベースを作成した。また、会議の創造性指標として発話内容のテキスト分析を用いた新たな評価指標を構築した。41件の会議データの解析結果より、創造性の低い会議では参加者に「恐れ」の表情が多く観察されることが分かった。そこで、ファシリテーターの顔表情をコントロールした実験を実施し、ポジティブな顔表情が会議のアイデア創出数を増加させる可能性を確認した。将来的には、マルチモーダル情報を統合したシステムの構築により、対面形式やハイブリッド環境での会議にも適用可能な創造性向上手法の構築を目指す。

著者関連情報
© 2025 人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top