日本応用数理学会年会予稿集
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セッションID: G08
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G08 数値計算(4)
区分的に値を持つ基底ベクトルを用いた連立方程式の一並列反復解法
片山 拓朗
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抄録
"大型疎行列の連立方程式に対する新しい反復並列解法を提案する.提案法は,全体領域をm個の重なりの無い部分領域Ωi(i=1,…,m)に区分し,各々のΩiを囲むように部分領域Ψiを設ける.ただし,各領域は自由度の集合とする.あるΩiでいくつかの線形独立なベクトルを仮定し,これを全体に拡大したベクトルを区分的に値を持つ基底ベクトルと呼び,この基底が張る部分空間をViとする.また,ΨiでΨiの全ての自由度に対応した単位ベクトルを定義し,これを全体に拡大し,この基底が張る部分空間をGiとする.提案法は,Giと(m-1)個のVj,j≠iが張る部分空間で解を近似し,その近似解を用いてViの基底を改良し,これらの操作を各領域で並列にかつ繰り返し行うことにより連立方程式を解く方法である.提案法を矩形領域のポアソン方程式の差分近似に適用したところ,共役勾配法に比べて極めて少ない反復数で安定に収束することが分かった."
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© 2002 日本応用数理学会
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