抄録
西表島の海岸林の林床の落葉中にみられる小型で黒っぽいカネタタキは新種と考えられるが,オーストラリアのKiah属の種にきわめて近縁の種である.しかし,生活習性や前翅の露出部分に対する前胸背長の比や小顎第5節の形態などが異ることにより,新属を形成するものと思われるので,この新属新種をTubarama iriomotejimanaとして属および種の記載を行った.和名はイリオモテヒメカネタタキとしたい.なお,本種の雄の鳴声は小さく,0.5〜0.7秒の間にチ,チ,チ,チ,チ,チッと5〜7回鳴いて,約20秒ほどおいてまた鳴くというパターンをくり返す.