1996 年 13 巻 3 号 p. 311-315
発芽15日目のトルコギキョウ根組織から切り出した外植片を, 茎葉誘導培地 (SIM) およびSIMから窒素, リン, 炭素源を除いた培地 (SIM-N, -P, -C, -NP, -NC, -NPC) で24時間培養 (前培養) し, プラスミドpBI221 (CaMV35Sプロモーター, GUS遺伝子を持つ) をパーティクルガンにより導入した. その後, 前培養と同一培地で24時間培養 (後培養) し, GUS遺伝子の一過的発現を組織化学的に解析した. その結果, GUS遺伝子の発現は, 前後培養をN欠培地 (SIM-N, -NP, -NPC) で行ったときに高い値を示し, SIM-Nで最も高い値が得られた (コントロールの4倍以上). このN欠の効果は, 前培養あるいは後培養のみでは見られず, 培養の前後ともN欠である必要があった. また, 3時間のN欠前培養で最も高い発現が認められ, コントロールの4倍以上であった.