1989 年 6 巻 3 号 p. 125-129
オタネニンジン (Panax ginseng C. A. Meyer) カルスからの幼苗への再分化のうち, とくにシュートからの発根条件について統計的手法を用いて考察を行った. Murashige and Skoog (MS) 基本培地中の主要無機塩類のうち, 発根要因を直交配列実験計画法を用いて選び出した後, 主要2要因と発根率の関係を Box-Wilson 法を用いて, 2次多項近似式でシミュレートした. その結果, MS基本培地から, NH4NO3を除き, MgSO4濃度を185mg/lとしたホルモンフリーの培地が完全に発根した植物体を得るのに最適であると推定された. この培地で得られた幼植物体は, 現在鉢上げし, 栽培を試みている.