PLANT MORPHOLOGY
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特集 細胞質遺伝の分子機構  ~101年目の挑戦~
母性遺伝のしくみ発見の背景
黒岩 常祥
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2011 年 23 巻 1 号 p. 41-51

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抄録

 2010年母性遺伝現象の発見100周年を記念して,日本植物学会の機関紙であるJPRの依頼を受け総説の取りまとめを行った(Kuroiwa 2010a,2010b).この企画に賛同して協力して下さった執筆者の皆さんに感謝したい.またJPRの総説を読んだ研究者から論文を頂いて分かったが,このような100周年を記念しての出版はドイツでも行われた.彼らは母性遺伝にかかわった歴史的研究者を中心に書いたようだ.
 100周年記念号では形態学的,細胞学的な観察の重要性を基盤に母性遺伝現象について書いた.本稿でその日本語訳をここで書くというのも一つであるが,同じことの繰り返しとなり意味がない.そこで,ここでは論文としては現れてこないが,母性遺伝現象のしくみ発見の背景にある人間模様について述べたい.この場合,発見の時より論文発表が大分遅くなることがしばしば起きた.この点を考慮して読んで頂ければ幸いである.研究内容の詳細に関しては特集号をお読み頂きたい.

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© 2011 日本植物形態学会
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