2013 年 25 巻 1 号 p. 5-6
細胞小器官は細胞が示す多様な機能の基盤である.そのあるがままの構造を理解するための強力なツールとして,急速凍結法が用いられている.しかし細胞壁を有する植物では,この方法が導入できる材料は限定的であった.この状況を打ち破ったのが加圧凍結法であり,それにより,細胞壁を保持したままの植物組織を超微細レベルで解析できるようになった.そこで2012年日本植物学会において,日本植物形態学会共催および日本女子大学バイオイメージングセンター後援のもと,本特集のシンポジウムを開催した.本シンポジウムでは,加圧凍結法により得られた様々な植物の細胞小器官の構造が紹介され,それを基に本来の構造が議論された.