PLANT MORPHOLOGY
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特集II 超イメージング技術による生物科学のフロンティア
生物画像の自動分類システムの開発
朽名 夏麿
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2013 年 25 巻 1 号 p. 73-81

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抄録

可視化技術や撮像法の発達にともない,生物画像の大規模化が進んでいる.その結果,研究現場で得られる画像データの次元やサイズは膨れ上がっており,画像解析における計算機支援のニーズは高まっている.しかしながら,生物画像の特色とも言える多様性と多目的性ゆえ,画像の解析をサポートするソフトウェア環境の普及は遅れている.こうした状況を踏まえ,我々はさまざまな生物画像と目的に適用できる汎用性を備えた,適応的な画像分類システムとして clustering-aided rapid training agent (CARTA) の研究開発を進めてきた.CARTAは専門家の知識を対話的に収集し,生物画像から抽出可能な多様な評価尺度の組み合わせの中から,各自の目的に相応しい分類基準を探し出すことを目指したシステムである. 本総説では,生物画像の自動分類システムを開発するためのアプローチについて,クラスタリングによる方法,専門家のルールに基く方法,教師付き学習による方法,そして能動学習による方法,の4つに分けて概説する.その上で能動学習の一種に位置付けられる CARTA について解説する

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© 2013 日本植物形態学会
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