PLANT MORPHOLOGY
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トウモロコシ根冠組織で特異的に発現する遺伝子
松山 崇
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1999 年 11 巻 1 号 p. 68-75

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抄録

要旨:筆者はトウモロコシ初生根の根冠からcDNAサブトラクション法を用いたデファレンシャルスクリーニング法により、根冠で特異的に発現する遺伝子を単離し、その詳細な解析を行なった。単離した遺伝子の1つは新規のグリシン・リッチ・プロテインであるzmGRP4(Zea mays glycine-rich protein4)であった。in situハイブリダイゼーション解析により、zmGRP4mRNAは側部根冠組織で強く、根の表皮細胞で弱く発現することが示された。ZmGRP4タンパク質に対するポリクローナル抗体を用いたイムノブロット解析及び免疫組織化学的解析の結果、zmGRP4タンパク質は修飾を受けて根端を覆う粘液に蓄積することが示された。また互いに相同で新規な遺伝子であるzmRCP1とzmRCP2(Zea mays root cap-periphery gene)は根冠の周縁部の細胞で特異的に発現しており、根冠細胞の細胞死と関係している可能性が示唆された。

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© 日本植物形態学会
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