抄録
要旨:ミトコンドリアDNA(mtDNA)はタンパク質との結合によって高度に折り畳まれ、DNA・タンパク質複合体であるミトコンドリア核様体(mt核様体)を形成している。本研究では出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeを用いて、mt核様体を構成するタンパク質について調べた。酵母からmt核様体を単離すると、主要なDNA結合タンパク質としてHMGタンパク質ファミリーに属するAbf2pが検出される。一方、これまでの解析で単離mt核様体からはAbf2P以外にも多くのタンパク質が検出されている。そこで、二次元電気泳動法で分離したmt核様体タンパク質のN末端アミノ酸配列を決定した結果、α-ケトグルタル酸脱水素酵素複合体、ORFO68wにコードされる未同定なタンパク質など16種類のタンパク質を同定した。これらのタンパク質とmt核様体形成との関連について考察した。