PLANT MORPHOLOGY
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花粉管ガイダンス分子に迫る
東山 哲也浜村 有希
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2006 年 18 巻 1 号 p. 29-33

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抄録
要旨:花粉管ガイダンス分子(誘引物質)の存在がはじめて提唱されたのは,19世紀後半とされる.培地上で発芽した花粉管が,雌蕊組織に向かって伸長する様子が観察された.それ以来,150年近くにも渡って多くの植物学者がその同定を試みながら,いまだに誰一人として成功していない.花粉管ガイダンス分子は本当に存在するのであろうかという疑問が提唱されたほどである.しかしこの10年ほどの間の研究で,花粉管ガイダンス分子はまぎれもく存在し,花粉管をガイドしていることが明らかとなってきた.本総説では,これまでの研究から浮かび上がってきた花粉管ガイダンス分子の実体を総括するとともに,ガイダンス分子としての必要十分条件についてあらためて考えてみたい.
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© 日本植物形態学会
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