裁的刑罰を与えることで規制対象を誘導する規制を示す。これに対して交渉型規制は法ではなく,規制当局と個別企業との協議に基づき規制内容を個別に取り決めてゆく点において,命令型規制と対比的である。
この論文では,命令型規制が敵対的な規制執行に陥りやすいこと,またそれに対して交渉型規制は必ず協調的な規制執行が行われるため,より効率的な規制手法であることをJ. T. Scholzの「執行のジレンマ」モデルを拡張することによって理論的に導く。またその結果を踏まえて,交渉型規制が有効に機能するための諸条件を探求する。