公共政策
Online ISSN : 2758-2345
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1990年代の日本政治における環境庁の政治的機会構造――環境アセスメント法制化の政治過程を事例に――
村井 恭
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2000 年 2000 巻 p. 2000-1-029-

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抄録

本稿の目的は,1990年代の日本における環境政策の政治過程を説明するための分析枠組みとして,環境庁の「政治的機会構造」を提起し,環境庁主導の政策転換を環境庁の主体的力量ではなく,環境庁とそれを取り巻く政治的環境との関係によって説明することを試みる。環境庁の政治的機会構造として注目するのは,①経済開発官庁と経済団体・業界団体の一体性,②政党の役割,③同盟者の利用可能性である。

事例研究では,環境アセスメント法制化を取り上げる。1975年から1982年にかけて6度にわたって環境アセスメント法制化に失敗した環境庁であったが,1997年に念願の法制化を達成した。本論では,政治的機会構造の観点から,以下の3つの要因に着目して,環境アセスメント法制化の政治過程を説明することにする。すなわち,①経団連・電気事業連合会が環境庁主導の法制化に柔軟な姿勢で対応したため,それに抵抗する通産省との間で対立が生じたこと

(経済団体・業界団体と経済開発官庁の一体性の低下),②建設省が柔軟に対応したこと(同盟者の利用可能性),③環境問題に関心の深い橋本龍太郎が首相に就任していたこと,および自社さ連立政権が連立維持の政策課題として環境問題を把握しており,法制化に支持を与えたこと(政党の役割)である。

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© 2000 日本公共政策学会
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