抄録
本論は、医療・介護従事者を対象にAdvance Care Planning(ACP)研修会を実施し、研修会後のACPに関する意識および行動変容について明らかにすることを目的とし、2022年3月、大阪府吹田市において医療・介護従事者を対象にオンライン形式によるACP研修会を実施し、当日並びに3か月後に、ACPに関する意識や、自分自身および患者や療養者に対するACP実践状況について無記名自記式質問紙調査を実施した。その結果、ACP研修会には40名が参加し、そのうち質問紙に回答した対象者は28名で、女性21名(75 %)、職種別では、ケアマネージャー15名(53.6 %)、ヘルパー6名(21.4 %)、看護師4名(14.3 %)であった。ACPについては、10名(35.7 %)が「よく知らない」と回答しており、18名(64.3 %)が患者もしくは療養者にACPを実践していた。研修会3か月後の調査では、18名(回収率64.3 %)の回答が得られ、6名(33.3 %)が「(研修会後に)患者もしくは療養者にACPを実践した」と回答しており、ACP研修会により、ACP実践につながる行動変容が認められた。ACP研修会の実施は、ACP実践普及の効果が期待されることが明らかとなった。