抄録
近年、市民がオープンデータやIT技術を活用し、地域的な社会課題を解決するシビックテックが広がっている。本研究では、佐賀県のシビックテックコミュニティであるCode for Sagaを対象に、活動内容と個人の参加状況の分析から、Code for Sagaの活動及び参加者の実態と変容を明らかにすることを目的とする。ここではCode for Sagaのイベントの開催と参加をシビックテック活動とし、Web調査やCode for Sagaで活動する方々へのインタビュー調査を行って、イベント内容とイベント参加者の参加状況を整理した。分析を通して、Code for Sagaの活動内容は社会的背景によって変化し、活動内容の変化がまた別の目的を持った参加者を引き寄せ、参加者属性を変化させていることが判明した。また、参加者の関心も活動内容の変化の一因となっており、Code for Sagaは、参加者と活動内容がお互いに影響を与え合いながら変容していくコミュニティであるといえる。シビックテックコミュニティは、既存のまちづくり団体のようにメンバーや活動内容が固定されているものではなく、参加者と活動内容が相互に影響し合い、活動が変容するコミュニティであること、最初からミッションが決まっているというよりは、参加者の個人的な関心や本務上の関心がシビックテックコミュニティの中で共鳴して広がり、その中で社会貢献につながる活動も生み出されているという性質があることが示唆された。