実践政策学
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企業ミュージアムの戦略的役割の進化
創業リーダーシップの発信とブランド価値の強化
大嶋 淳俊
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 11 巻 1 号 p. 91-96

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抄録
企業ミュージアム(Corporate Museums)は、企業の歴史や製品展示を通じた情報提供にとどまらず、ブランド価値強化のための戦略的ツールとしての役割を担うよう進化している。特に創業リーダーシップの発信を通じて、企業の「信頼性」「革新性」「文化的持続性」を強化し、訪問者に企業ブランドの価値を体験的に伝える役割を担っている。本研究では、企業ミュージアムが創業リーダーシップをどのように発信し、それがブランド価値にどのように寄与しているかを明らかにするため、37施設を訪問調査し、事例研究を行った。分析の結果、企業ミュージアムはストーリーテリング、体験型展示、技術革新の可視化を通じて創業者の理念や経営哲学を伝え、「感情的共感」「理念理解」「技術認知」の3つの経路を通じてブランド価値を強化していることが確認された。感情的共感は創業者の人生哲学や経営理念を通じて訪問者に企業の「誠実さ」や「社会的責任」を伝え、理念理解は創業者および歴代経営者の価値観を示し、企業の「文化的持続性」を強調する。また、技術認知は企業の技術革新や製品開発の歴史を示し、訪問者に「革新性」とブランドの先進性を認識させている。本研究は、企業ミュージアムの戦略的役割を体系的に示し、創業リーダーシップの発信がブランド価値強化に与える影響を実証的に考察した。
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