抄録
立地適正化計画による拠点への機能集約・誘導が全国的に進む中、近年、都市圏レベルによるコンパクトシティ政策の必要性が高まっている。都市圏レベルでコンパクトシティ化を進めるためには、“開発を抑制すべきエリア”との側面も持つ市街化調整区域や、白地地域にも焦点を当てる必要がある。これら地域には一定の人口や機能が集積する旧自治体の中心部や既存集落も存在しており、これら地域を任意の拠点として立地適正化計画に位置付ける市町村もみられる。そこで本研究は、市街化調整区域・白地地域拠点の実態解明と、拠点の持続可能性を都市環境と居住者意識の観点から考察し、今後の拠点の形成・維持に向けた示唆を得ることを目的とする。具体的には、①都市環境に着目した立地適正化計画上の任意拠点の類型化、②類型化に応じた居住者意識の解明を行った。その結果、利便性の高い拠点では居住者意識(街への認識、定住/転居意向及び居住満足度)は比較的ポジティブな傾向がみられ、一定の拠点の持続可能性がみられた。他方、不便な拠点では居住者意識は比較的ネガティブな傾向がみられ、将来的な人口流出に伴う拠点機能の利用者減少が生じる可能性があり、拠点の形成・維持が困難となるおそれがあった。