実践政策学
Online ISSN : 2189-1125
Print ISSN : 2189-2946
日本政府の外国勢力による偽情報拡散への対処に関する政策分析
意思決定、運用実態、政策的課題
桒原 響子
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ジャーナル オープンアクセス

2026 年 12 巻 1 号 p. 5-13

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抄録
近年、欧米諸国を中心に、国家および非国家を含む外国勢力による偽情報拡散が安全保障上の脅威と位置づけられ、政府をはじめ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)プラットフォーム企業を中心とする民間セクター、メディア、大学、研究機関、非政府組織(NGO)などの市民社会によって、対策が強化されている。背景には、ソーシャルメディアや人工知能(AI)技術の発展を通じて、偽情報が民主主義や選挙に与える影響への懸念が高まっていることがある。特に、2016年の米国大統領選挙や2022年のロシアによるウクライナ侵攻は、こうした脅威認識を国際的に強める契機となった。一方、日本ではこれまで偽情報対策が限定的であったが、日本政府は、2022年12月に「国家安全保障戦略」を含む安全保障関連3文書を改定し、外国勢力による偽情報拡散への対処に本格的に乗り出した。本論文は、偽情報問題への関心が相対的に低かった日本において、いかにして対策の重要性が評価され強化されたのかを明らかにするとともに、政府による意思決定過程と運用実態を分析し、現行対策が抱える政策的課題を検討する。特に、日本における①「偽情報」の定義の曖昧性、②偽情報問題に対する認識の偏向性、③対策に関与するアクターの限定性を明らかにし、欧米諸国の先行事例とも比較しながら分析を行うことで、今後の包括的かつ持続的な政策の方向性を提示する。
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