抄録
本研究では多様性に着目して産業分類の面と商品分類の面からそれぞれ多様性指標を計算し、商店街の規模などと対比させて分析を行った。その結果、一般の商店街とイオンモールとでは商店街としての規模や多様性の傾向が大きく異なっていることがわかった。イオンモールは商店数が一般の商店街等に比べると多いが、全体の多様性を増加させるような方向で店舗が構成されているわけではなく、物販と飲食に特化させた上で、物販についても衣服類を重点的に取り扱っており、多様性そのものは低めであることがわかった。「がんばる商店街77選」に含まれている比較的活気のあると思われる商店街は両者の中間的な傾向を持っており、商店街としてはイオンモールに近いことがわかった。その他のモールは規模や多様性だけ見ると一般の商店街と大きな違いはないが、産業分類の多様性に比べると商品分類の多様性が小さく、特定商品に特化させる傾向が一般の商店街に比べると強いことがわかった。