実践政策学
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政府調達における柔軟な予定価格(落札上限価格)の算定に関する一考察
鈴木 良祐
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2020 年 6 巻 1 号 p. 13-22

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抄録
昨今、厳しい財政事情を受けて、府省庁および地方自治体では、事業の計画的な遂行や投資効果に支障を来さず、かつ支出を抑制できる調達改革に鋭意取り組んでいる。本研究の目的は、この事業を有償契約という形で執り行う政府調達における、柔軟な予定価格について、その役割と必要性を明らかにし、柔軟性を確保するための要件を見出すことである。本研究では、契約締結を計画的に進めていくための、柔軟な予定価格について、原価計算の視角から考察を行っている。予算編成の段階から予定価格を算定する時点までの、事業実現に必要となる金額の変動を受けての、予定価格算定に関する課題抽出を行い、そこから、柔軟な予定価格に関する結論を導き出した。本稿は6つの章で構成している。1.では、本研究の目的と研究の流れ、政府調達と予定価格の概説、計画的な契約締結の必要性について整理し、2.では、本研究における論点と仮説を立て、3.においては、職能別分業組織における意思決定に関する先行研究レビューを行い、4.で、柔軟な予定価格に関するケーススタディを行っている。5.では、そのケーススタディから導出された課題を整理することにより、柔軟な予定価格の必要性を明らかにした。6.では、予定価格に柔軟性を持たせる手立ての方向性をまとめている。なお、今回の研究成果は、計画的な契約締結を実現するには、予定価格にある程度の柔軟性を持たせなければならないことが確認され、そのために求められる手立ての方向性を示せたことである。
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