実践政策学
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地方都市の通勤者のエコ通勤に対する態度の変容と規定要因に関する一考察
市森 友明西垣 友貴山田 忠史大門 健一
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2020 年 6 巻 1 号 p. 5-12

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抄録
公共交通の利用を活性化することは、都市や地域の様々な課題に対処するために必要であり、自動車交通が卓越する地方都市においても、取り組むべき重要な課題である。本研究では、職場を対象としたモビリティ・マネジメントの一種である、地方都市の通勤者のエコ通勤推進に注目して、富山市の一社を対象にしたアンケート調査の結果を基にして、情報提供法によるエコ通勤に対する態度変容や、行動変容の可能性を調べるとともに、情報提供前の認知度の相違が態度変容に及ぼす影響について考察する。さらに、共分散構造分析を用いて、エコ通勤への態度を規定する要因と、その因果構造についても考究する。その結果、エコ通勤の長所や利点を示す情報の提供によって、エコ通勤への態度が改善される可能性、および、態度改善が行動の変容を促す可能性が示された。さらに、被験者の情報提供の内容に対する事前認知度の高低によらず、情報提供が態度改善に効果的であることを明らかにした。また、エコ通勤への態度を規定する要因と、その因果構造の推定を通じて、エコ通勤への態度が良くなる背景には、社会問題への関心や、環境問題への当事者意識、公共交通への肯定感、仕事への意欲が存在すること、態度が悪くなる背景には、自動車への依存心があることを示した。仕事への意欲とエコ通勤への態度との間に正の因果関係があることは、公共交通利用の活性化における企業の自主的な取り組みにおいて、エコ通勤と地域企業の業績が同時に良化される可能性を示唆するものと考えられる。
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