抄録
東日本大震災の復興事業においては、各地域の特性に配慮した復興が重視された。復興過程に現れた地域の特性の通時的、総合的な把握とその記述方法の検討は、今後の復興事業のあり方の議論において重要な知見を提供すると考えられるが、その複雑な状況における調査・分析に向けた、より効率的かつ効果的な方法論の検討が求められている。本研究では復興の主体である基礎自治体(市町村)が復興過程において継続的に地域に関する情報を発信してきた自治体広報紙に着目し、その記事内容の通時的分析から復興過程に現れた地域の特性の読み取りを試みた。その成果として、東日本大震災被災6自治体の広報紙の構成・内容に関する特徴を把握した上で、震災前から継続的に住民に身近な情報を発信していた「地域の出来事」に関する記事のテキスト分析により復興過程に現れた地域の特性の一部を明らかにした。