実践政策学
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中山間地域の空き家活用事例に関する生活史調査
羽鳥 剛史藤本 脩平尾崎 真由
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2022 年 8 巻 1 号 p. 119-128

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抄録
本格的な人口減少時代を迎える中、居住者の居ない「空き家」の増加が全国的な問題となっている。特に、中山間地域では、空き家が住宅市場に流通しないまま放置されるケースが増えている。本研究では、中山間地域の空き家活用事例を取り上げ、貸主と借主を対象とした生活史調査を実施し、彼らがその人生の経験の中でいかにして空き家の活用に関する意思決定を行ったかを検討する。具体的には、愛媛県X市において、市外に住む所有者が管理する空き家を市が移住者向けに借りたケース(事例1)と地域おこし協力隊の移住者がゲストハウスの開業のために地域の所有者から空き家を借りたケース(事例2)を対象とした。そして、各事例の当事者へのインタビューを通して空き家活用の経緯や実態を把握すると共に、空き家の活用が成立した背景にどのような要因が存在したかを考察した。その上で、中山間地域における空き家活用の問題構造を、①貸主・借主間の信頼関係、②空き家の空間的・時間的な文脈依存性、③当事者自身の人生史的条件の観点から捉え直した。最後に、本研究の知見が中山間地域における空き家活用を促進する上で示唆する点について考察した。
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