主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会 第49回年会
回次: 49
開催地: 広島大学 東広島キャンパス
開催日: 2025/09/05 - 2025/09/07
本研究は,学習者が日常経験に基づいて形成する「運動している物体には常に力が働く」とするMIF(Motion Implies Force)素朴概念に着目し,その形成メカニズムが科学概念との接続や変容をいかに妨げるかを検討した.MIF素朴概念は,知覚経験,知識構造,因果推論といった複数の認知的要因によって形成され,単なる知識の修正では変容が困難とされる.中国の高校生55名を対象に質問票調査を実施し,MIF素朴概念の形成要因および保持状況を質的・量的に分析した結果,問題文の文脈により科学知識と素朴概念の活性化が異なること,および「力の伝導可能性」信念がMIF概念の保持と有意に関連していることが明らかになった.特に「力の物質化」や「作用・反作用の時間的非対称性」などの誤解が,科学的概念との融合や誤解釈を生み,概念変容を妨げていることが示唆された.